サイエンスカフェChofu ~コーヒーを飲みながら科学について語り合う!~

第13回『哲学カフェ:人工知能と暮らす世界を共に考える』

2019.11.9

電気通信大学と調布市の主催、電気通信大学同窓会「目黒会」と調布市大学プラットフォームの共催によるサイエンスカフェChofuを開催しました。
このイベントは、科学に関する知識を深めるだけでなく、参加者が自由な発想でお互いのアイデアについて語り合う場であり、講師との距離も近く、科学をとても身近に感じることができます。

>>調布市放送局「調布CATCH」に「サイエンスカフェChofu」が紹介されました

日程

令和元年11月9日(土) 14:00~15:30

場所

電気通信大学創立80周年記念会館3階フォーラム

参加者

市民の方 29名

講師

東洋大学文学部哲学科 松浦 和也 准教授
電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・ネットワーク工学専攻 西野 順二 助教

テーマ

哲学カフェ:人工知能と暮らす世界を共に考える

概要

 第13回目となる今回は、東洋大学文学部哲学科の松浦和也准教授と電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・ネットワーク工学専攻の西野順二助教を講師にお迎えして、「哲学カフェ:人工知能と暮らす世界を共に考える」と題して、講演とグループ討議を行いました。
講演では、「哲学」と「サイエンス(科学)」との概念的な関わりについて簡単に触れた後で、人工知能(AI)が社会実装される上での期待と危惧、責任や倫理に関する問題提起を行い、それらについて非専門家が対話し納得を得ていく場が必要であること、その場の1つとして今回の「哲学カフェ」があることを説明しました。また、人工知能の自己判断による恩恵と被害の両面を描いた映像を上映し、その責任が誰にあるのか(製造者?使用者?それとも人工知能自身?)、参加者との間で意見交換をしました。
後半では、フランスにおける1990年代からの「哲学カフェ(Café philosophique)」の活動を紹介した後で、「『良い人工知能』とはどのような人工知能か」をテーマに、参加者によるグループ討議を行いました。高校生から年配の方までの幅広い年齢層の初対面の参加者同士が同じ問題について考え、積極的な発言を交わし、どのグループも熱い議論となりました。
最後の報告会では、各グループから「安全なものが良いAIである」、「AIは道具であり、人間がコントロールすべき」、「利便性のために人間が主体性を失ってはいけない」、「AIには、関わる人間の倫理が反映される」、「そもそも『良い』とはどういうことかについても考える必要がある」といった結論や意見が発表されました。
サイエンスを介した新たな交流を生みながら、本会は盛況のうちに終了いたしました。
〔協力〕:国立研究開発法人科学技術振興機構〔JST〕 社会技術研究開発センター〔RISTEX〕
      研究開発プロジェクト「自律機械と市民をつなぐ責任概念の策定」
     東洋大学国際哲学研究センター



講師による講演・映像上映
 

参加者によるグループ討議・報告会(熱い議論が交わされました!!)                     
 

カフェコーナー


第13回サイエンスカフェポスター

第13回哲学カフェ:人工知能と暮らす世界を共に考える