サイエンスカフェChofu ~コーヒーを飲みながら科学について語り合う!~

第17回『工学と耳の耳寄りな話』

2021.5.15

 サイエンスカフェChofuは、電気通信大学と調布市の主催、電気通信大学同窓会「目黒会」の共催により平成29年度から開催しています。
このイベントは、電気通信大学や近隣の大学・研究機関の研究者を講師に迎え、参加者が、幅広い科学に関する知識を深めるだけでなく、自由な発想で互いのアイデアについて 講師と気軽に話し合い、交流を深めることを目指します。
また、令和元年度からは「調布市大学プラットフォーム」が新たに共催者に加わり、参加大学による講師・会場の下で開催するなど、更なる充実に向けた発展を遂げています。
令和2年1月の第14回開催以来、コロナ禍により約1年間の休止を余儀なくされましたが、令和3年1月から、オンラインで開催しています。

日程

令和3年5月15日(土) 14:00~15:30

場所

オンライン開催(Zoom を使用)

参加者

市民の方 36名

講師

小池 卓二(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻・教授)

テーマ

工学と耳の耳寄りな話

概要

 今回は、オンラインで2 回目となる開催で、電気通信大学の小池卓二教授を講師とし て、「工学と耳の耳寄りな話」をテーマに話をしました。冒頭、本学と共に主催者である 調布市(文化生涯学習課)から調布市について簡単な紹介を行いました。講師の話に移り、 自己紹介と本学の簡単な紹介をした後で本題に入りました。
 最初に、音とは何か、音を感知する耳はどのような構造になっているか説明しました。 耳の構造・機能については、写真やイラスト、動画を交えながら部位・器官ごとに詳しく 説明しました。
 次に、難聴について、そのメカニズムを説明し、同じ音を、正常な耳と難聴の耳とで聴 いた際の違いを、実際に音を出して実感してもらいました。また、難聴を補うための機器 である補聴器について、取り巻く状況や、イヤホン型補聴器、骨導補聴器の仕組み・問題 点を説明し、最新の超磁歪素子による補聴器の紹介をしました。さらに、伝音難聴などの 中耳の疾患を治療するための、熟練した繊細な技術を要する手術を助ける耳小骨可動性 計測システムを紹介しました。
 最後に、音の振動を活用したサスティナブル農業の話題を取り上げ、骨導補聴器の仕組 みを応用して木や植物に振動を加えることで、その音を嫌う害虫を駆除することができ、 農薬使用量の軽減につなげることができることを説明しました。また併せて、振動によっ て低コストかつ効率的に受粉を促進できることを説明しました。
 講話後には、参加者からチャットを通じて講話内容に関する様々な質問が投げかけら れ、講師との活発な意見交換がなされました。
 サイエンスを介した新たな交流を生みながら、本会は盛況のうちに終了しました。なお、 今回はサイエンスカフェChofu において過去最多となる52 名の申込みがあり、さらに、 参加者の約4 分の1 が高校生でその半数が遠隔地から参加するなど、オンライン開催の 長所が大きく発揮されました。
 参加者からは「ステイホーム中に有意義な時間を過ごすことができました」、「オンラ イン開催で遠隔地から参加することができました」、「大学での授業を知るいい機会にな ってよかった」などの感想が寄せられました。



 
 



第17回サイエンスカフェポスター

第17回工学と耳の耳寄りな話