サイエンスカフェChofu ~コーヒーを飲みながら科学について語り合う!~

第18回『身の丈のデータサイエンス』

2021.7.10

 サイエンスカフェChofuは、電気通信大学と調布市の主催、電気通信大学同窓会「目黒会」の共催により平成29年度から開催しています。
このイベントは、電気通信大学や近隣の大学・研究機関の研究者を講師に迎え、参加者が、幅広い科学に関する知識を深めるだけでなく、自由な発想で互いのアイデアについて 講師と気軽に話し合い、交流を深めることを目指します。
また、令和元年度からは「調布市大学プラットフォーム」が新たに共催者に加わり、参加大学による講師・会場の下で開催するなど、更なる充実に向けた発展を遂げています。
令和2年1月の第14回開催以来、コロナ禍により約1年間の休止を余儀なくされましたが、令和3年1月から、オンラインで開催しています。

日程

令和3年7月10日(土) 14:00~15:30

場所

オンライン開催(Zoom を使用)

参加者

市民の方 24名

講師

山本 渉(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻・准教授)

テーマ

身の丈のデータサイエンス

概要

 今回はオンラインで3回目となる開催で、電気通信大学の山本渉准教授を講師として 「身の丈のデータサイエンス」をテーマに話をしました。冒頭、本学と共に主催者である 調布市(文化生涯学習課)から挨拶と調布市に関する簡単な紹介を行いました。
講師の話に移り、最初に導入として「データサイエンス」が様々なものの複合領域の中 にあり、コンピュータ科学や数学・統計学、ドメイン知識などの様々なスキルが必要とな るものであることを説明しました。
次に、職業としての統計家とデータサイエンティストについて、統計家(Statistician) は古くからアメリカの労働統計にも取り上げられる職業で様々な業界で活躍しているが、 日本には馴染みの薄いものとなっていることを話しました。一方のデータサイエンティ ストは近年に登場した職種で、日本にも波及しているが、その定義は様々で、会社や機関 ごとに求める像が異なることを説明しました。
続いて、日本の大学におけるデータサイエンスに関する学部・学科等の状況について、 平成29年の滋賀大学を皮切りとして現在までに様々な大学が設立してきていることを紹 介しました。併せて、この動向が、平成15年頃から中央教育審議会や日本学術会議など の場において、統計(科)学やデータサイエンスの重要性が議論されるようになったことに 起因していることを説明しました。
また、現在日本では前述の滋賀大学を含む地域拠点大学を中心に「数理・データサイエ ンス教育強化コンソーシアム」が設立され、データサイエンスに関して文系の学生でも学 ぶべき基礎レベルから応用基礎レベル程度までを全国的に学べるような体制を整えてい るところであることを紹介しました。
最後に、日々考え、取り組み、解決していくのがデータサイエンスであり、その本質は データが駆動する科学的な取組にあると説明しました。そして、データサイエンティスト になるためには、自分の得意なもの・強みを1つ磨くことが重要で、データの分析は1人 でなくチームを組んで行うものであることから、他の素養は社会に出てから身に付けて いけば良いことを説明し、話を締め括りました。
講話後には、参加者からチャットを通じて講話内容に関する様々な質問が投げかけら れ、講師との活発な意見交換がなされました。
サイエンスを介した新たな交流を生みながら、本会は盛況のうちに終了しました。なお、 参加者の半数が遠隔地の方で、また、高校生が4分の1 を占めるなど、今回もオンライ ン開催の長所が大きく発揮されました。
参加者からは「非常に興味深い話が聞けました。将来の進路についての参考にもして いければと思います」、「オンラインだったので往復の時間のロスがなく講座に参加でき てよかったです」、「聞きなれない単語がたくさん出てきましたが新しいことを知れて良 かったです」などの感想が寄せられました。



 
 



第18回サイエンスカフェポスター

第18回身の丈のデータサイエンス