サイエンスカフェChofu ~コーヒーを飲みながら科学について語り合う!~

第19回『乳酸菌とヒトとの永く深いつながり』

2021.9.11

 サイエンスカフェChofuは、電気通信大学と調布市の主催、電気通信大学同窓会「目黒会」の共催により平成29年度から開催しています。
このイベントは、電気通信大学や近隣の大学・研究機関の研究者を講師に迎え、参加者が、幅広い科学に関する知識を深めるだけでなく、自由な発想で互いのアイデアについて 講師と気軽に話し合い、交流を深めることを目指します。
また、令和元年度からは「調布市大学プラットフォーム」が新たに共催者に加わり、参加大学による講師・会場の下で開催するなど、更なる充実に向けた発展を遂げています。
令和2年1月の第14回開催以来、コロナ禍により約1年間の休止を余儀なくされましたが、令和3年1月から、オンラインで開催しています。

日程

令和3年9月11日(土) 14:00~15:30

場所

オンライン開催(Zoom を使用)

参加者

市民の方 24名

講師

佐々木 泰子(明治大学 農学部 農芸化学科・教授)

テーマ

乳酸菌とヒトとの永く深いつながり

概要

 今回はオンラインで4回目となる開催で、調布市大学プラットフォームの参画校であ る明治大学の佐々木泰子教授を講師として「乳酸菌とヒトとの永く深いつながり」をテー マに話がありました。冒頭、本学と共に主催者である調布市(文化生涯学習課)から挨拶 と調布市に関する簡単な紹介を行いました。
 講話に移り、初めに、乳酸菌とは何かということについて、生物学上の分類や、乳酸菌 が含まれる身の周りの発酵食品の歴史についての説明がありました。
 続いて、なぜ多くの発酵食品に乳酸菌が含まれるのかということに関して、発酵とは何 か、発酵と腐敗の違いとは何か、乳酸菌が抗菌効果をもたらし、腐敗菌や食中毒菌の生育 を阻止していることについて、さらに、発酵食品に欠かせない「酵母」の良好な生育環境 を乳酸菌が作り、また、乳酸発酵により食品の旨みや風味を生むことなどの説明がありま した。
 最後に、生きた乳酸菌を大量に含む食品であるヨーグルトについて詳しく話がありま した。ヨーグルトにおいてブルガリカス菌とサーモフィラス菌の2種の乳酸菌による共 生発酵が行われている理由やメカニズムと共に、プロバイオティクスとしてのヨーグル トの食品機能について、ヒト粘膜免疫系の主役である腸管免疫における役割にも触れな がら、話が締めくくられました。
 講話後には、参加者からチャットを通じて、「ヨーグルトは同じ種類を食べ続けるのと、 違った種類をいろいろ食べるのでは、どちらが良いのか?」、「人ごとの腸内フローラの菌 構成を決める要因とは何か?」などの講話内容に関する様々な質問が投げかけられ、講師 との活発な意見交換がなされました。
 サイエンスを介した新たな交流を生みながら、本会は盛況のうちに終了しました。なお、 参加者の半数は東京から遠方の地域に在住の方で、今回もオンライン開催の長所が大き く発揮されました。
   参加者からは「ヨーグルト、乳酸菌の力って凄いと改めて感じました」、「乳酸菌と酵母 の関係や腸内フローラなど興味深いお話が聞けてたいへん勉強になりました」、「会場ま で時間がかかるので往復の時間を気にせず参加できてオンラインで大変たすかりました」 などの感想が寄せられました。



 
 



第19回サイエンスカフェポスター

第19回 乳酸菌とヒトとの永く深いつながり